【あわ紅豆腐物語】あわ紅豆腐の起源は中国の腐乳(フールー)です。腐乳は豆腐を加工した後、酒・塩・麹・香辛料などからなる「もろみ」に漬け込み発酵させたもので、味わい深いものです。

それは中国からはじまった
腐乳とは?

もともとはトルコ系の遊牧民が保存食として作っていたものといわれ、その後珍味として上流階級層に珍重されるようになりました。現在、中国では主に ご飯にのせたり、料理の調味料として使用する場合が多く、日本で言うと梅干や漬物のような食材にあたります。
腐乳の製造法は、適当な大きさに切った豆腐にカビを生育させたあと塩漬けにして、さらに紹興酒、塩、麹、香辛料からなるもろみに漬け込んで発酵させるという手のかかったもので、カビ付けに3~7日、熟成させるのに1~6ヶ月をかけ、丹念に作られます。 地方によって使う麹や香辛料が違うため種類はさまざまですが、一般的には製品の色によって紅腐乳(紅麹が使われたもの)、白腐乳、黄腐乳等に大別されます。香辛料としてはトウガラシ、八角(スター・アニス)、サンショウなどを用いることが多く、きんもくせいやバラの香りを加えることもあります。
腐乳にはチーズのような風味があり、その独特の香りから料理の調味料としても使われます。多くの中国の人にとって、ポピュラーな食材の一つです。
腐乳は、乳腐、醤豆腐、豆腐乳などいろいろな呼び名がありますが、正式名称は腐乳です。

琉球貴族の高貴な味となり…
豆腐ようとは?

沖縄にしかないといわれる珍味、豆腐よう。琉球王朝時代は高貴な身分の人しか口に出来ない食品であり、遠来の客に対しての最上級のもてなしとして扱われていたほどでした。それゆえ、昔はクース(泡盛の古酒)と豆腐ようがなければ名家としての面目が保てず、豆腐ようづくりは大名家を支える奥方にとって、欠くことのできない大事な仕事のひとつであったといわれています。
豆腐ようは、豆腐を泡盛と紅麹を混ぜ合わせたもろみに漬け込み、3ヶ月ほど熟成させて作ります。中国の腐乳がルーツだといわれていますが、もろみに漬け込む前にカビ付けを行う腐乳に対して、豆腐ようではカビ付けがないことが大きな違いです。そのため香りは異なり、豆腐ようには酒粕の芳しい香りが漂う沖縄ならではの味わいが生まれています。 その風味はウニの様で、チーズに似た食感も持ち合わせており、酒の肴として、また泡盛とあう一品として、好まれています。
豆腐ようは、泡盛、ソーキそば、ゴーヤチャンプルーと並ぶ沖縄の代表的な味として、そして沖縄独特の高級食品として人気も広がっています。

阿波(徳島)の地で、至福の味となる…

今回、阿波の地「徳島」で私達が手がけた「あわ紅豆腐」は、
塩を減らし、風味を増すために工夫を重ね、
フォアグラにも似たまろやかな食感に仕上げました。